またひとくち紅茶に口をつけて、ぼんやりと庭園の方をながめる。
「ごちそうさまでした。正直、お礼としてこんなに贅沢をさせていただくようなことしてないですけど」
食事を終えた席で胡桃が言う。
「してるよ。足りないくらい」
そう言って壱世が送る視線が、なんとなく熱っぽい気がしてしまう。
(絶対気のせいだけど)
頬が熱くなってしまうのを、手で仰ぐようにしてごまかす。
(……終わっちゃった)
「胡桃、もう少し時間ある?」
「え?」
「ここ、庭園に出られるんだ。見たくないか?」
「見たいです!」
もう少し彼といられるのが嬉しくて、即答してしまう。
そんな胡桃を見て、壱世はクスッと笑った。
庭園は、建物の中から見える部分とそうでないところがエリアで分けられていた。
生垣で隔てられた向こう側は、イングリッシュガーデンのように花やハーブがひしめき合うように植えられているが、雑然としたところはない。
アーチ状の蔓バラなど丁寧に手入れされているのがわかる。
夜にはところどころ優しい灯りでライトアップされ、花の香りの中で散歩を楽しむことができる。
「ごちそうさまでした。正直、お礼としてこんなに贅沢をさせていただくようなことしてないですけど」
食事を終えた席で胡桃が言う。
「してるよ。足りないくらい」
そう言って壱世が送る視線が、なんとなく熱っぽい気がしてしまう。
(絶対気のせいだけど)
頬が熱くなってしまうのを、手で仰ぐようにしてごまかす。
(……終わっちゃった)
「胡桃、もう少し時間ある?」
「え?」
「ここ、庭園に出られるんだ。見たくないか?」
「見たいです!」
もう少し彼といられるのが嬉しくて、即答してしまう。
そんな胡桃を見て、壱世はクスッと笑った。
庭園は、建物の中から見える部分とそうでないところがエリアで分けられていた。
生垣で隔てられた向こう側は、イングリッシュガーデンのように花やハーブがひしめき合うように植えられているが、雑然としたところはない。
アーチ状の蔓バラなど丁寧に手入れされているのがわかる。
夜にはところどころ優しい灯りでライトアップされ、花の香りの中で散歩を楽しむことができる。



