「なんだか元気が無いんじゃない? もしかして壱世とケンカでもしたの?」
十玖子に顔を覗きこまれて聞かれ、胡桃は首を横に振る。
「そ、そんなことないです。先週はデート……もしましたし」
「そう?」
コクコクと頷く。
「それじゃあ着物に着替えましょうか」
柚木がいつものように着物を準備してくれていた。
胡桃は今まで習ったことを思い出しながら、一人でそれを着てみる。
「まだまだおぼつかないところもあるし、もっと綺麗に着られるようになるといいけれど、初めて一人で着られたわね」
十玖子が嬉しそうに目を細める。
柚木も隣で微笑んでいる。
「ありがとうございます。おふたりのおかげです」
いつもなら笑みをこぼして言いそうな言葉も、今日はなんとなく寂しく感じて上手く笑えない。
それからまた、いつものように十玖子に礼儀作法の指導を受けた。
「やっぱり元気が無いわよねえ」
お茶の時間になり、十玖子がカップに紅茶を注ぎながら胡桃を見て言う。
「そんなことは……」
「あるわよ。だって今日のお菓子はThistleのスコーンなのに無反応じゃない」
「え? あ! 本当だ、しかもレモン!」
十玖子に顔を覗きこまれて聞かれ、胡桃は首を横に振る。
「そ、そんなことないです。先週はデート……もしましたし」
「そう?」
コクコクと頷く。
「それじゃあ着物に着替えましょうか」
柚木がいつものように着物を準備してくれていた。
胡桃は今まで習ったことを思い出しながら、一人でそれを着てみる。
「まだまだおぼつかないところもあるし、もっと綺麗に着られるようになるといいけれど、初めて一人で着られたわね」
十玖子が嬉しそうに目を細める。
柚木も隣で微笑んでいる。
「ありがとうございます。おふたりのおかげです」
いつもなら笑みをこぼして言いそうな言葉も、今日はなんとなく寂しく感じて上手く笑えない。
それからまた、いつものように十玖子に礼儀作法の指導を受けた。
「やっぱり元気が無いわよねえ」
お茶の時間になり、十玖子がカップに紅茶を注ぎながら胡桃を見て言う。
「そんなことは……」
「あるわよ。だって今日のお菓子はThistleのスコーンなのに無反応じゃない」
「え? あ! 本当だ、しかもレモン!」



