「さっきはごめんね。でも未成年にお酒を売ったら犯罪になっちゃうんだよ」 「吸血鬼でもですか?」 「僕は処罰されて、クビになっちゃうよ~」 「吸血鬼なのに?」 「なるよ。吸血鬼でもクビになったら困るよ~」 吸血鬼は途中にあった雪で埋もれた自販機で買ったホットコーヒーをあちちと言いながら開けた。 自販機のコーヒーってあっついのにすぐ冷めるんだよね。 「何かあったの? お酒を飲もうなんて」 「すごく嫌なことがあって……もう死にたいです」 それだけ言った。 それしか言えなかった。