悪魔なあなたと結婚させてください!

想像していたとおり幸の顔は真っ赤に染まっている。
アレクはズボンのポケットから小さな箱を取り出すと、幸の前に差し出した。

「契約通りだ。お前の命と引換えに、俺と結婚してくれ」
小さな箱の中には輝くダイヤモンドの指輪が入っている。

幸が驚いて息を飲む音が聞こえてきた。
「それって……」

「お前が死ぬまでずっと一緒だ。死んでからもその魂は俺がいただくことになるけどな」

幸の頬に涙が伝って落ちていく。
「本当によく泣く女だな」

アレクは呆れたようにつぶやいて、幸を抱きしめたのだった。