悪魔なあなたと結婚させてください!

悪魔を召喚するような人間はみんな心の中でやましいことを考えていたりするものだ。
幸だって、キレイになったことで思い上がったときはあった。

だけど他の人間たちとは違い、アレクへの気持ちだけは少しも変化を見せなかった。
「もう、行かない」

アレクは幸を抱きしめかえす。
人間に本気で恋をしたなんて言えば、きっと仲間は笑うだろう。

だけど目の前にいる幸を大切にしたいと思ってしまった。
「ずっとお前のそばにいる」

抱きしめ返してそうささやくと、幸の雨に濡れて冷たかった体温が急上昇していくのを感じる。
「本当に?」

可愛く聞き返されて、アレクは軽く身を離した。