悪魔なあなたと結婚させてください!

そういった和美がスマホを取り出して画面を幸へ見せてきた。
そこに映っていたのはカフェで人休みしている幸と、アレクの姿だったのだ。

幸の頭にはすでにバレッタがある。
幸はハッと息を飲んで和美を見た。

和美は微笑んで「ねぇ、紹介してださいよ」と、続ける。
「そ、その人とは別になんでもなくて」

咄嗟に嘘をつくが、もちろん通用しない。
「この人先輩の親戚なんでしょう? だからこんなに馴れ馴れしくしていたんでしょう?」

実際に目撃していた和美の目つきが怖い。
口元は笑っているのに、目は怒りでつり上がっている。

幸がこれだけのイケメンと一緒にいたことが気に入らないのだ。
だけどアレクと自分の関係を話すわけにはいかない。

話せばきっと、邪魔をしてくるに決まっているのだから。