アレクは呆れているけれど、幸の胸は暖かさで包み込まれていた。 こんな感情、きっとアレクがいなければ知ることはなかっただろう。 こんなに幸せを感じていて大丈夫なのか、不安になるほどだ。 「ありがとう」 グスッと鼻をすすりあげて髪の毛をアップにしてバレッタで止める。 「へへっどうかな?」 「似合ってる。すごく」 そんなふたりをジッと見つめている1人の人物の姿が、窓の外にあることなんて気が付かなかった。