ー別世界というものは、本当に存在する。
きっと地球とかいう星に住む別世界の人たちは信じられないだろうけど、本当に私たちは存在している。
私たちだって一回も会ったことはない。
でも、私たちは向こうの人たちがどうしているかなんて、一瞬でわかる。
…あっ、私「たち」ではないか…私は、わかる。
私は佐倉桃。中学1年生。
もちろんこっちの世界にも学校は存在するし、何年生、とかの数え方も一緒だ。
ただ…私はちょっと、いやだいぶ、別世界の人ともこっちの世界の普通の人とも違うところがあった。
私は、この国の姫。
こっちの世界は、私の住む国しかない、世界と言うより小さな国。
でも、毎日が楽しいっ。
私たち王家は、実は魔法を使える。
物を瞬間移動させたりとか、人が考えてる事がわかったりとか、ワープして別世界に行く事だってできて、何かと便利だ。
私は今日も、自分の部屋のテレビから、視線を逸さずにいる。
私の部屋にある大型テレビは、もちろん別世界の人が見るやつじゃない。ちょっと特殊な魔法をお母さんにかけてもらったもの。
ここのテレビは、目の前に座った人が見たいと思う場所からの別世界の映像を映せる。
こう言うものには興味を持っちゃうタイプだしっ…毎日本当に楽しみっ…。
今日の学校でも、騒がられちゃったしなぁ…。
私は王家で、しかもお母さんたちのあとには女王になるって決まっている。
だから騒がれるのもしょうがない気もするけど…女王って堅苦しそうだし、目立つのはやだっ…。
それに、別にそんなおしゃれしてるわけじゃないし…今日も可愛いですね、って言われても苦笑いしか返せないのが辛いっ…。
「ありがとう」は忘れてないから…言ってくれた方も嫌ではないはずっ。多分っ。
私はあんまり人の心を覗き見するような真似はしたくないから、心を読む魔法は未だ数回しか使った事がない。



