改めて問われると……少し怖い。
 けれどこれは自分で決めたことで、そこに迷いはない。
 祖母から受け継いだ魔法で精一杯彼らと自分を守るのだ。

「はい、大丈夫です」「ああ」

 丁度ラルドリスと声が重なり、軽く頷き合う。

「では御者は私が務めます。おふたりは中へどうぞ」

 それを見て微笑むと、シーベルは御者台に向かう。
 車内に先に乗り込んだラルドリスが、入り口から手を伸ばした。

「よし、来い!」
「はいっ!」

 引っ張りあげられて少し高い段差を越え、メルも車の中へ。
 それを見届け、シーベルは薄闇の奥を見据えて鞭を振るった。