◇
ラルドリスの演説が終わり、すべての参列者が投票を終えようとした頃。
ベルナール公爵は迷っていた……事前に細工した投票箱を前に。
銀のカートの上に置かれた木製の投票箱。実はこの箱の背板には、底と同じサイズの板と、すでに用意しておいた偽りの投票用紙が仕込んである。側面に刺さった指先程の金属ピンを抜けば、音もなくそれが倒れて真の投票用紙を隠し、投票後いつでも先に用意したものにすり替えられる仕組みだった。
隣で今回の投票用紙に細工が無いか確認していた騎士団長ボルドフが、最後の投票用紙を箱の中に入れる。
後は、この投票の責任者であるベルナール公爵が用紙をすり替え、中を改めれば……確実に次期国王はザハールということで決着する。そうすれば、ベルナールの勝利だ。
「そ……それでは、中を開封し、投票結果の確認を……」
三百程度の参列者を前に声が擦れた。
ラルドリスの演説が終わり、すべての参列者が投票を終えようとした頃。
ベルナール公爵は迷っていた……事前に細工した投票箱を前に。
銀のカートの上に置かれた木製の投票箱。実はこの箱の背板には、底と同じサイズの板と、すでに用意しておいた偽りの投票用紙が仕込んである。側面に刺さった指先程の金属ピンを抜けば、音もなくそれが倒れて真の投票用紙を隠し、投票後いつでも先に用意したものにすり替えられる仕組みだった。
隣で今回の投票用紙に細工が無いか確認していた騎士団長ボルドフが、最後の投票用紙を箱の中に入れる。
後は、この投票の責任者であるベルナール公爵が用紙をすり替え、中を改めれば……確実に次期国王はザハールということで決着する。そうすれば、ベルナールの勝利だ。
「そ……それでは、中を開封し、投票結果の確認を……」
三百程度の参列者を前に声が擦れた。



