『ではこれより、ここにおいでになられた、これからの国を強く案ずる重臣の皆様方に、おふたりの御子どちらが次期国王に相応しいか、決めていただきたく思います。お一人ずつこちらのテーブルにてどちらを選ぶか記入し、係の兵士にお渡しください』

 誰がどちらに投票したかを周知しないよう、いくつかの目隠し板が設置され、公平を期すため、二つの陣営からそれぞれ立会人が出された。開票は、あのベルナール公爵が行うようだ。

 三百を越える聴衆は列になり、投票後速やかに後ろ側に移動し、結果を待つ。
 ふたりの王子にまつわるアルクリフ王国の騒動が、今密やかに、決着を付けられようとしていた。