――パッカン……パッカン。

「せやっ!」

 木の割れる乾いた音の合間に、威勢のいいメルの声が響き渡った。
 今彼女は、外で斧を振り薪を切っている。
 中心を狙い定め、ぐうんとひと伸び。体を大きくしならせ、腕をただ真っ直ぐに振り下ろす。そうすると薪は綺麗に割れる。

 この辺りは長い森暮らしで手馴れたもので、彼女はテンポよく木切れを積み上げると籠に乗せ、置き場へと運ぼうとした。

「チチチッ!」

 そこへ駆けてきたチタが、慌てた様子で背中を登り、首の周りをぐるぐる回る。

「わっとと。もしかして、目を覚ましたの!?」
「チ!」
「すぐ行く!」