私は伯父さんのベッドの横に座ると、家で焼いてきた伯父さんの大好きなジンジャークッキーを広げておいた。少し柔らかく仕上げてきた。食べやすいようにだ。

「ありがとう。もう、あまり食欲がなくてね。でも、これだけは少しずつ食べられる。看護婦さん達からも、これがあってよかったねと言われるよ」

「……伯父さん。伯母さんのためにもそんなこと言わないで」

「さくら。彼女のこと頼むな。それと店のことは気にするな。そろそろ閉めて自分の仕事を会社でしなさい」

「そのことなんだけどね、伯父さん……」

 私は伯母さんにも話していない、おとといの夜の出来事を話しだした。