イタリアに留学し、戻ってきてからシャンパンフラワーの店長に抜擢されたと聞いている。

 伯父の代から面識はある。

 さすがに、この地域で長く花屋をやっていればこちらにご挨拶しないことはありえない。

「あら、清水さん。お久しぶり。綺麗になったわね。それにしても今日はずいぶんとゆっくりなのね」

「……あ、あの。ご無沙汰しております。相良さん今日はどうされたんですか?」

「あら、知らなかった?芹那は私の同級生の妹。だからベリが丘にいたときから知っているの。こっちにまた戻ってきたと聞いてさっそく会いにきたのよ。芹那ったら、名取でなく留学先を紹介した私の下で働きなさいよ」