ゆがんだ溺愛は、芳醇で危険



「昔、ニコニコ笑ってる途中にいきなり倒れて、盲腸で入院したことあるんだから。それくらいお兄ちゃんは嘘をつくのが上手なの。

お兄ちゃんのことを好きとか言っときながら、お兄ちゃんの何を見てんの?」

「!」


バッドで頭を殴られたような……いや、それを上回る衝撃が走る。

そうだ。香月雅は、自分を偽るのが上手なんだ。本気の恋を封印してチャラ男を演じていたことにも、全く気付けなかったし。

そんな男の口から出る言葉を……信じてもいいのだろうか。


『このピアスがある限り〝恋愛に本気にならない〟』


彼の一挙手一投足で、彼の気持ちを判断していいのだろうか……ううん、よくない。っていうか嫌だ。ありのままの香月雅を知ることを、諦めたくない。