(あの神様、絶対間違えただろ……!)

あたしはあのゲラゲラ笑っていた失礼な神様に苛立ちを覚えつつも、もう会えないと思っていた両親に会えたことは嬉しかったし、まあいいかとやり直し人生を送ることにした。

あたしは順調に成長していった。近所に住んでいる人も、友達も、何一つ前の人生と変わらない。でも小学校に入学した時、前世でも担任となった吉岡(よしおか)先生が笑顔を浮かべて言った言葉で、あたしはこの世界が元の世界ではないことに気付いた。

「小学生に皆さんはなりました。今からバース性の検査をします!」

バース性は間違いなくオメガバースのことだ。みんなが不思議そうな顔をしている中、あたしの額に汗が浮かぶ。神様は間違うことなくあたしを転生させたんだ。

でもここで首を傾げる。大抵のオメガバースを元にした作品では、バース性を調べるのは二次成長期を迎えた少し後だったはずだ。何故このタイミングで調べるのだろうか。

不思議に思いつつも、一人ずつ保健室の中に呼ばれ、中へと入っていく。どうやら結果はすぐに出るらしく、保健室から出てきた生徒は「アルファだった!」とみんなに教えるように言った後、教室へと戻る。