ふと空を見上げれば、青い空がやけに広く見えた。いつもと同じ空のはずなのに見え方が違うとは、自由を手に入れられたからかな。

「ねえ、ちょっといい?」

声をかけられてあたしは振り返る。そこには三人の男子生徒が立っていた。三人ともアイドルかと思うほど顔がいい……!一人は猫目にツンツンとした黒髪の男子。もう一人はチョコレートブラウンのふわふわとした髪に高身長の男子。最後の一人は二重に髪をワックスできちんとセットした男子だ。

「あたしに用事?」

あたしが訊ねると三人の男子は頷く。こんなイケメンに声をかけられるなんて、少女漫画か何かだろうか。前の人生なんてモテ期なんて言葉とは程遠い生活だったんだけど……。

「でも、入学式もうすぐ始まっちゃうよ?」

「すぐ終わるから!来て!」

猫目の男子に腕を掴まれ、あたしは体育館とは真反対の方向へ連れて行かれる。あたしの左右隣に高身長男子とヘアセット男子が立ち、あたしの脳裏に連行される囚人が浮かんだ。

(えっ?あたしマジで何をされるの?この時代にカツアゲ?)