噛んで、DESIRE



促されて吾妻くんが数式をぺらぺらと並べると、先生はびっくりしたようにうなずいた。


「正解だ」


……わたしに、ちょっかいかけてきたくせに。

寝ようとしてたくせに。


どうして、答えられるの?


吾妻くんは、本当は何でも出来てしまうんじゃないかと疑ってしまう。

でもそんなことよりいまは、彼がわたしを助けてくれたのだろうということが気になって、嬉しくて、いますぐにでもお礼を言いたい気分だった。


感心したように首を縦に振っていた先生は、目が覚めたように、慌ててわたしにフォローを入れてくれる。


「四宮、申し訳ないが吾妻に出番を奪われた恨みは、先生が買ってやるからな」

「……え、あ、いえ、大丈夫、です」