噛んで、DESIRE




数分で帰ってきた吾妻くんは、少しの煙草の匂いを纏っていた。

苦いような、甘いような、不思議な匂い。


案外好きかもと思いつつ、吾妻くんを眺めていると、彼は困ったように眉を下げた。


「匂い、嫌?」


服をつまんで鼻を近づける吾妻くんに、首を横に振る。


「大丈夫、です」

「そ? なら良かった」


今度はわたしの上ではなく横に座り、退屈そうに髪をかきあげた。

さらさらと金色の髪が彼の目元に落ち、ずっと見ていたいと目を奪われる。


吾妻くんはそんなわたしを垣間見て、余裕そうにふっと笑った。


「そんな情熱的な視線向けられましても」

「や、やめてください……っ」