噛んで、DESIRE



そして吾妻くんのわけのわからない言動も増えた気がする。

さらに言うと、キケンな雰囲気も、少しだけ丸くなった気がする。


吾妻くんは猫みたいだ。

ときどき獣になるけれど、いまは猫。


わたしの上に倒れ込んできたまま動こうとしない。

困ったことに、男子高校生(大人だけど)がひとり乗っかっていると、さすがに重い。

密着していても、昨日抱きしめられて寝たせいか、心臓はそこまでうるさくならなかった。


そろそろ潰れる、ギブアップ……と苦しんでいたら、吾妻くんは思い出したように急に立ち上がった。


「吸ってきていい?」


折った指を口に当てて言う吾妻くんに、こくんとうなずいた。

1階降りてくる、と彼はわたしの部屋を出て行ってしまう。


朝から吸うんだ……と思いながら、彼の背中を見送った。