噛んで、DESIRE



「そういや杏莉ちゃんさ、抱き枕に最適だったわ」

「……それなら、良かったですけど」


「久々にちゃんと寝れた気がする。やっぱここ通っていい?」

「だ、めです」


「あ、ちょっといま躊躇った?」


ぶんぶんと首を横に振って否定すれば、つまらなさそうに吾妻くんは唇を尖らせた。

そうしてふたりでお花の面倒を見たあと、トーストを焼く時間で口論し、食べ終わり、することもなくテレビを見る。


ソファに三角座りをしながら面白くもない日曜日の朝のニュースを見ていると、吾妻くんがわたしの上に倒れ込んできた。

どんどん距離感がおかしくなっている気がするけれど、わざわざそれを指摘するのも意識していると思われたら嫌で、仕方なく声をかけるだけにする。


「……う、重い、です」

「日曜の朝につまんないテレビ見てる杏莉ちゃんって良いわ」

「……どういうことですか」