噛んで、DESIRE




もうここまできたら、何泊でも変わらない気がしてきた。

抵抗するのも時間がもったいない気がして、結局ずるずる流されてしまうのだ。


寝ぐせひとつ付いていない綺麗な金髪を眺めていると、吾妻くんはわたしをじーっと見てくる。


「な、なんですか」

「んー、杏莉ちゃんってすっぴんだとなんか幼いなーって思って」


「……見ないでください」

「何をいまさら」


はは、と笑う吾妻くんの視線から逃れるために勢いよく掛け布団を顔の上に乗せる。

自分の家だからすっぴんだということを、すっかり忘れていた。


夜は暗いからいいけれど、明るい朝に吾妻くんに見られるのはかなり恥ずかしい。