何を考えているかわからない。
彼はいつも、テキトーなことばかり言うし。
でも、わたしを抱きしめてくれる吾妻くんが、本当の彼なのだと思う。
美麗な彼はわたしの耳を噛んで、キュッと口角を上げた。
そんな仕草が美しくて色っぽくて、どうにも負けた気分になる。
素直じゃないわたしは、小さな声で反論する。
「吾妻くん」
「なーに、杏莉ちゃん」
「また、……金髪が見たいです」
黒髪もカッコいいけれど、やっぱり吾妻くんの金髪が恋しくなる。
わたしの言葉に、彼は仕方なさそうにうなずいた。
「俺、杏莉ちゃんには逆らえねえわ」
「……それは、わたしのセリフです」
「ふは、じゃあお互い様じゃん」
ふっと微笑んだ吾妻くんは、何よりもいちばん美しかった。



