わたしの髪を耳に掛け、吾妻くんはふっと微笑んだ。
少しキケンな仕草も、優しい言葉も、強引なところも。
ぜんぶ、大切で仕方ないのはわたしのほうだ。
「どーしよ、俺マジですげえ杏莉ちゃんのこと好きかもしんない」
眉を下げて言う吾妻くんに、胸がきゅーっと苦しくなる。
彼の表情で、本当に愛されているのだと実感して、どうしようもなく愛おしくて、彼の首に手を回して強く強く抱きしめた。
「わたしのほうが……大好き、です」
わたしの気持ちに応えるように、吾妻くんはぎゅっと抱きしめ返してくれた。
背伸びをしているのも、吾妻くんが支えてくれているから苦しくない。
こんなふうに、ずっとお互いを支え合っていきたいと思う。
「うん、可愛い。やっぱここで手出していい?」
「それはだめです……っ!」
……吾妻くんはこんな感じだけれど。



