噛んで、DESIRE




「はは、杏莉ちゃん目閉じないタイプ?」

「……うっ、ち、が」

「あ、喋んなくていーよ。唇切っちゃうから」

「……っ、う」


本当に溶けてしまうかもしれない。

わたしはこんなに必死なのに、吾妻くんは平然と話しかけてくるのだからおかしい。


襲うような激しいキスに、ひとりで立っていられなくなって、吾妻くんのシャツを掴む。

そのままずるずると座り込みそうになったのを、彼はすぐにわたしの腰を支えて妖艶に笑った。


「腰抜けちゃう杏莉ちゃん、可愛すぎて無理かも」

「……っ、も、う、苦し、」


「だーめ。俺いま杏莉ちゃん不足すぎて解放してあげらんない」



外なのに。

いまマンションの人が帰ってきたら、誤魔化すことなど不可能なのに。


それでも離れることが出来ないのは、彼の体温が恋しくて仕方がないから。