噛んで、DESIRE





純恋は大きくうなずいて、華が咲いたような笑顔を浮かべて言った。


「お姉ちゃん、またお花生けてね。わたし、お姉ちゃんの生け花すっごく好きだったから」

「……うん、ありがとう。純恋」

「お父様より、お姉ちゃんの作品の良さは、きっとわたしのほうがわかってるよ」

「……うん」


もう純恋とも表立って話すことはないだろうなと思うけれど、これも……仕方のないこと。


自由になるということは、何かを捨てるということと等しい。

だけど同時に、得るものはそれ以上に大きいのだ。



純恋はこのまま温かく成長してほしい。

何よりそう願いながら、自分の家へと小走りで向かうのだった。