噛んで、DESIRE



はっきり言い切ったわたしを、父は光のない瞳で数秒見つめた。

そして、軽く笑ったかと思えば、絶望的な言葉を口にした。


「残念だが、これはもう決定事項だ。相手の方は、もうすぐ挨拶に来られるんだよ」

「……今日、ですか?」

「そうだ。約束の時間はそろそろだが」


……本人の、わたしの意志は無視されてるの?

そんなので結婚なんて大事なことを決めても良いと、この人たちは思ってるの?


……都合が良すぎる。

わたしを四宮から追放したのに、どうしてまだ、身動きが出来ないほど縛ろうとするの……?


決定事項だと言われ、さすがに何も言えなくなってしまった。

威勢の良い言葉はもう出て来ず、呆然と父を見つめた。