「吾妻のことだから、平然と教室入ってきて平然と四宮さんにだけ挨拶しそう!」
「うわ……それあるね。朝来たら実は学校いるみたいなのもありそう」
「うーん……わたしの予想は、逆に遅く来て、『寝坊した』って言って授業の途中で来る気がするなあ」
「「それだ!」」
3人で笑い合い、語り合っていると、クラスの皆んなも何事かと話に入ってくる。
吾妻くんが恋しいのはわたしたちだけじゃなく、皆んな同じ気持ちだった。
こんなに待ち焦がれられている美麗な彼は、いま何をしているんだろう。
……吾妻くん、いつ帰ってきても、あなたの居場所はあるよ。
帰る場所は、ここにある。
それはわたしも同じで、気付かせてくれたのは彼だった。
……吾妻くん、寂しいよ。
本当は寂しくて仕方ないのを我慢するのも、そろそろ限界だよ。
早く戻って来てね、と心の中で願いながら語り明かしていると、少しだけ寂しくなかった。



