……三原くんってば、天然たらしだなあ。
澪子がかすかに照れているのを眺めていると、それに気付いた彼女は、慌てたようにうなずいた。
「そうそう。留年3回目なんて洒落にならないんだから!」
「……いやそもそも、留年3回とか可能なのか怪しくね?」
三原くんの言葉に、澪子がピキッと固まる。
いろいろな意味で“ 永遠の高校生 ”になってしまう吾妻くんを想像し、3人で顔を青くする。
「…………卒業出来ないのは、さすがに困る、よね」
「……うん、杏莉、早く吾妻をとっ捕まえないと」
「居場所もわかんねえのにどうやって?」
「……」
こそこそ3人で頭を抱えて真面目に語っているのが、なぜか急に可笑しくなる。
同時に吹き出したわたしたちは、吾妻くんが帰ってきたときに何を言うかという話題で盛り上がった。



