噛んで、DESIRE



「申し訳、ございません……」


力なくうなだれた。

認めてもらえるかもしれないだなんて期待して、過去の自分が恥ずかしい。


わたしは何も変わっていなかった。

吾妻くんや澪子、ほかのクラスメイトの皆んなに褒めてもらって、調子に乗っていたんだ。


……そう簡単に変われるはずがなかったんだ。

心が冷え切って凍っていくのを自覚していると、突然、澪子が父の目の前に進み出た。



「……おや、きみは八島の娘だったか」

「はい、八島澪子です」


「杏莉の影響でこの高校に入ったと聞いたが、その節はうちの娘が申し訳なかった」


思ってもない謝罪をし、父は澪子を見ている。

その表情からは感情の機微は捉えられず、どこまでも父が冷徹に見えた。