噛んで、DESIRE




そこまでぐるぐると考えて、ふと、期待が灯る。


……もしかして、わたしの作品を見に来てくれた?

来た理由がそうでなくても、作品を認めてくれるかもしれない。


懲りないわたしは、いつまでも淡い期待を抱いている。

そうして……踏みにじられるのは、慣れっこだった。



「風の噂で、文化祭当日に杏莉が作品を飾ると耳にしたんだよ」


父の声には抑揚がなく、言葉の裏に何を意図しているのか、まったくわからない。


「そう、ですか……」


父親なのに、血が繋がっているのに、ずっと他人行儀なのも変わらない。

話すだけでも緊張が走り、言葉を慎重に選ぶ。


「それで、入り口に飾ってあったあれは、おまえの作品か」