噛んで、DESIRE



そう考えるだけで、息が吸えないほど苦しくなる。

変わりたいのに、やっぱりわたしはいつまでも囚われている。


調子に乗ったら駄目なのに。

わたしは才能やセンスなどあるわけないのに。


どうしてこんなにも、認められるのが嬉しいのだろう。

……父の心ない言葉を、忘れてしまうくらいに。



「ほら、杏莉。皆んな杏莉をカッコいいって思ってるよ」


わたしの肩にぽんっと手を置き、澪子が気遣うように目を細めた。

彼女の優しさに、わたしはいつも甘えている。


自分ひとりじゃ気付かないことを教えてくれる。

彼女の存在に感謝しながらうなずいた。


……わたしが出来ることは精いっぱいやろうと決めたんだ。

澪子も、吾妻くんも、見守ってくれているから。



それだけで何でも出来そうだと思ってしまうわたしは、単純だけど、以前よりはかなり前向きになったと自覚したのだった。