噛んで、DESIRE



「きみらふたりの間には、誰も入れない雰囲気が出来てるよなあ……。やべえ、もっと羨ましくなってきた」

しくしくと涙を拭うふりをする三原くんに苦笑していると、吾妻くんが無表情で言う。


「三原、早く手動かして。作業終わんねえし帰れねえ」

「それはまずい。……って、吾妻もぜんぜん進んでないだろ!」


「だって俺、杏莉ちゃんのスカートチェックしてたから」

「ちょっとアウトな発言やめろ?」


三原くんに激しく同意していると、またもやほかのクラスメイトに名前を呼ばれる。


「いってらっしゃーい」


気の抜けた吾妻くんの言葉にうなずいたあと、呼ばれた方向へ足を運ぶ。

何やらアクシデントが起きているようで急いで向かえば、わたしを呼んだ九条(くじょう)さんが困ったように口を開いた。