噛んで、DESIRE



それに、わたしにばかり笑みを向けているわけじゃないと思う。

確かに自分から話しかけることは少ない吾妻くんだけど、三原くんのことは信頼しているように見えるから。


こんなふうに同級生と仲良さげに話している吾妻くんを見るのは嬉しくて、三原くんに密かに感謝していたりする。


「それに、四宮さんも男子だと吾妻としかほとんど喋んないじゃん? だから吾妻も羨ましい!」

「当たり前、だって杏莉ちゃんは俺にしか懐かねえもん」

「吾妻はまたそうやって、意味深発言するだろ?! ふたりの関係、すっげえ不思議だわ……」


ふわあっと眠そうにあくびをした吾妻くんは、この話題に興味はなさそうだ。

自分の噂話はどうでもいいというふうに振る舞う姿はさすがだと思う。


わたしは誰かの口から自分の名前が出てくるのが苦手だから、よく噂される吾妻くんは平然としていてすごいと感じている。