なんでまた、わたしの髪を乾かそうと思い立ったのかはわからないけれど、こんなのんびりした日々もいいなと思う。
変わらぬ姿勢のまま髪を整えていると、突然背後から吾妻くんにぎゅっと抱きしめられた。
「……吾妻く、ん」
ドキッと心臓が飛び跳ねて、苦しくなる。
強く抱きしめられているおかげで、心だけでなく息も乱される。
う……っ、不意打ちはやめてほしい。
ただでさえ慣れない触れ合いに鼓動がうるさい。
「あーー落ち着く」
わたしのうなじに顔を近づける吾妻くん。
手の位置も太ももにギリギリ触れていて、絶妙に際どい人。
ふーっと彼は息を吐き、それが耳にかかって熱い。
触れられるだけでギクシャクが止まらないわたしは、小さい声で呟いた。



