澪子の言うことは一理ある。

わたしは昨日、あの後吾妻くんと絶妙に気まずくなってしまい、アトラクションに並ぶ雰囲気にもなれずに澪子たちのもとへと戻った。


その道中、吾妻くんとは何もなかったかのように話したけれど、わたしの頭の中はとても混乱していた。


合流したあとは三原くんの明るさに励まされ、何事もなく校外学習は終了したのだけれど。

昨夜も帰ってからふたりとも疲れて寝てしまい、きちんと話さないまま今朝になったのだ。


「何もないなら、良いんだけどね……」


わたしが隠していることは、澪子はきっとわかっている。

だからこそ、わたしが楽に話せる機会を作ってくれているのだと思うと、かなり申し訳なかった。

でも、まだ吾妻くんと同居していることを話すには勇気がいる。


そして今日もはぐらかすわたしに、澪子は参ったように眉を下げて言った。