「ほんっと強情なんだか、素直なんだか」
わからねえなあ、と苦笑する吾妻くん。
そんな彼に、なんだか急激に触れたくなって、思わず至近距離なのに手を伸ばしてしまう。
そっと吾妻くんの肩に触れると、彼は獣目を光らせて首を傾げた。
「俺は、俺にだけ可愛い杏莉ちゃんがいいんだよね」
「……う、っ、はい」
2回目の可愛いも慣れない。
だって吾妻くんはいままでそういう言葉を発してきたことはなかったから。
破壊力にやられていると、そんな弱いわたしを許さないように、吾妻くんは攻めてくる。
光も、感情もない彼の瞳の奥は。
どうしても惹かれてしまい、それはきっと、抜け出せない世界。
「ほかの男にしっぽ振ったりしたら、うっかり噛み跡付けちゃうかもね」



