噛んで、DESIRE



鎖骨あたりに顔を埋め、吾妻くんが噛んでくる。

少しの痛みと、大きな羞恥。


小さく声が漏れると、吾妻くんはわたしの首筋にも柔く歯を立てて見上げてくる。

その表情があまりにも美麗で、ゾクッとする。


いま吾妻くんが、世界でいちばん綺麗だという自信があった。


「そーいえば三原クン、杏莉ちゃんのこと褒めてたね」

「褒め、る……?」


脈絡もなく、吾妻くんはそう口にする。

わたしの髪の匂いを嗅ぎながら、彼はつまらなさそうに続けた。


「可愛いとか言ってたじゃん。てか、軽く口説いてた?」

「え、それはお世辞であって、本気じゃな……」


「うん、そーだね」



遮るように、彼はそう言った。

思ったよりも冷たい声のトーンで、びっくりする。