噛んで、DESIRE



「癖だから? 杏莉ちゃんって呼び方じゃないとしっくり来ねえもん」

「でも……、騒ぎになるって、わかるじゃないですか」


「別に騒がれたってどうってことないじゃん。四宮サンとかって呼ぶの、ムズムズするし」

「それは……同感ですけど」


吾妻くんは、そもそもこういう人だ。

周りの目など気にしないし、目立とうが騒がれようがどうでもいい。


でもわたしはそうじゃない。

なるべく平穏に過ごしたいし、注目を浴びるのは苦手だ。


本当に正反対だなあ……と抗議するのを諦めつつ、でも睨み続ける。


「三原くんも、……きっと不思議に思ってます。吾妻くんが、わたしの腕引っ張ったりするから」

「いや、だって杏莉ちゃんがほかの男と同じ班になって、キャッキャしてるとこ見たくもねえし?」


「うっ、別にキャッキャしませんけど……」