「ハナコ様、ごきげんよう」
「ごきげんよう、みなさん」
「お元気そうなお顔を拝見できて、わたくしたち本当にうれしいですわ」
「ええ、ありがとう。わたくしもこうしてみなさんと会えてうれしいわ」
久々に学園に来て、次々に声を掛けられる。
ここのところ華子意識でいたので、令嬢の所作がやたら窮屈なんだけど。
「下級生を庇ってお怪我をなさるなんて、さすがはハナコ様。ご勇敢でいらっしゃいますわ」
「お体よりも、お心の傷の回復にお時間がかかったとか。ほんとうに大変でしたわね」
どこに行っても持ち上げられて、ハナコに気を遣いまくっているのがひしひしと伝わってくる。
みんな立場を守るのに必死なんだろうな。
在学中に有力貴族とのパイプを作ることも社交の一部。きっとそうやってみんな貴族社会を生きてるんだよね。
公爵令嬢ハナコ・モッリは悪役令嬢の役どころだ。
だからと言って積極的に誰かをいじめたりとかは、ひとつもしてこなかった。
マナーがなってない相手には、手厳しく嫌味をお見舞いするくらいはしてきたけどさ。
でもそれってむしろハナコの方が言い分は正しいってことで。
断罪されるほど、悪いことはしてきたとは思えない。
(今は堂々とハナコとして過ごすしかないか……)
「ごきげんよう、みなさん」
「お元気そうなお顔を拝見できて、わたくしたち本当にうれしいですわ」
「ええ、ありがとう。わたくしもこうしてみなさんと会えてうれしいわ」
久々に学園に来て、次々に声を掛けられる。
ここのところ華子意識でいたので、令嬢の所作がやたら窮屈なんだけど。
「下級生を庇ってお怪我をなさるなんて、さすがはハナコ様。ご勇敢でいらっしゃいますわ」
「お体よりも、お心の傷の回復にお時間がかかったとか。ほんとうに大変でしたわね」
どこに行っても持ち上げられて、ハナコに気を遣いまくっているのがひしひしと伝わってくる。
みんな立場を守るのに必死なんだろうな。
在学中に有力貴族とのパイプを作ることも社交の一部。きっとそうやってみんな貴族社会を生きてるんだよね。
公爵令嬢ハナコ・モッリは悪役令嬢の役どころだ。
だからと言って積極的に誰かをいじめたりとかは、ひとつもしてこなかった。
マナーがなってない相手には、手厳しく嫌味をお見舞いするくらいはしてきたけどさ。
でもそれってむしろハナコの方が言い分は正しいってことで。
断罪されるほど、悪いことはしてきたとは思えない。
(今は堂々とハナコとして過ごすしかないか……)