ダンジュウロウと別れて、久々の教室に向かう。早く未希と合流したい。
 って思った矢先、前方からマサトが来てるし。

 わたしを見つけると、ぱっと明るい顔になってマサトは駆け寄ってきた。
 なんかブンブンとしっぽ振ってるマボロシが見えるんですけど。マサトってば、どこまで行ってもワンコキャラだな。

「よっ、ハナコ、久しぶり! 元気にしてたか?」
「おかげさまでね」
「そっか、それはよかった!」

 嫌味で返したんだけど、これはまったく通じてないな。
 でものんきそうなマサトの顔見てたら、なんだか気が抜けちゃった。やっぱ久々の学園で緊張してたのかも。

 ずっと山田に会ったらどうしようとか考えてた。
 でもさっきの山田の様子だと、わたしにちょっかい出すのは諦めたみたいだから。
 よし、これで安心して学園ライフが送れるんだ。

 どこまでも追ってくる山田の視線に、なんだか未練を感じたけど。このままフェードアウトすることを祈るしかないよね。

「はいこれ。ハナコに渡しとく」

 差し出されたのは一枚の細長い紙。
 短冊(たんざく)みたいだけど、何か魔法陣が描かれている。