緒臣くんのキケンな誘惑。




緒臣くんが私の方を見ると、さっきまでの無表情とは違う柔らかい表情になって。

ま、待たせちゃったみたい……!女の子が集まりかけてる……!

周りにいる女の子達を見てそう思って緒臣くんの元へ走る。


こんなに容姿が綺麗でモテる人が女嫌いって、すごく大変だと思う。
緒臣くんの表情を見ると、一刻も早くその場から連れ出してあげたくなる。


「ごめんね遅くなっちゃって……!」

「全然。紫夕のこと待つのも楽しいよ」

「……っ」


待つのが楽しいだなんて……!!
そんなことある……!?と思いながらも、直球すぎて照れてしまう。


「帰ろう」

「う、うん……!」


そんな私を見て微笑んだ緒臣くんはそう言って玄関に向かって。

私も玄関で靴を履き替えた。


外に出て、門まで歩く。


「そういえば……緒臣くんはどうやって帰るの?」

「俺?歩きだよ」

「そうなの?じゃあ私と一緒だね」