緒臣くんのキケンな誘惑。






本人は慣れたと言っていた。
でも今の私には……無理やり感情を無くしているようにしか見えない。

本当は、慣れたわけじゃないんだろうな……。


なんて思いながらそのまま歩き続ける。

そして、緒臣くんに近づいて横をすれ違おうとしたとき。


さっきまで動くことのなかった緒臣くんの目線が、パッとこっちに動いた。


「……っ!」


目、合った……!

光のなかった緒臣くんの目に、少しだけ明るさが入ったように感じた。


すると、緒臣くんは女の子達の輪を無理やり抜けるように手を伸ばして。

……っ、へ?

急に私の腕をパシッと掴んだ。


それに周りの子も驚いたようにポカーンとしている。

三人もそんな私に気づいて足を止めた。


「お、緒臣くん……?」

「…今日一緒に帰ろ、紫夕」

「え……っ!?」

「約束ね?」

「っ、ちょ……っ!!」


突然の言葉に驚いて目を見開いてしまう。