緒臣くんのキケンな誘惑。





そう思った時。

廊下からバタバタ走っている音が聞こえてハッとする。


もしかして……!
そう思って近くにある時計を見ると。


「…!時間やば……!」

「……俺も戻らなきゃ。じゃあね紫夕」

「あ……、うん!」


チャイムが鳴る二分前だということに気づいて焦る。

…緒臣くんの話、なんだったんだろう。

息を吐いた緒臣くんは立ち上がって笑顔で手を振りながら階段を上っていって。
その後ろ姿を見つめながら、私も教室まで慌てて走った。



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「ばいばい!」


放課後、三人に手を振って教室を出る。

あれからまた緒臣くんに会うことはなかった。
おかげでさっき何言おうとしていたのか気になって仕方ない。

そのまま廊下を歩いていると、いつもの様に四組の前に女の子が溜まっていた。

そこからはきゃーきゃーと楽しそうな声が聞こえてきて、明らかにさっきの休み時間とは違う雰囲気だった。