緒臣くんのキケンな誘惑。





私を見て驚いたように名前を呼んだ緒臣くんは、私に手招きをしてきて。

三人の方を見ると、行ってきなと私に頷いていた。


次の授業まで時間がまだあることを確認して、緒臣くんの方に近づく。


「次移動なの?」

「う、うん…」


そっかと私にニコニコ笑って、その笑顔にドキッと胸が高鳴る。

心臓に悪いんだよこの人……っ。
私を見上げる緒臣くんに、私はこの感情を誤魔化すように口を開いた。


「なんでここに……?」

「静かだから」

「え……?」

「教室にいたら囲まれるんだよ」

「あ……!」


緒臣くんの言葉の意味を理解して納得する。

確かに、あれだけ騒がれてたら疲れるよね。
……もしかして、逃げてたってこと?


「確かに…四組の前、女の子いっぱいいたよ」

「でしょ?出待ちも入り待ちもされてるからね」

「……うわあ」

「ふ…っ、顔に出すぎ」


出待ちも入り待ちも……?