横目でその光景を見ながら通り抜けると、音寧が口を開いた。
「大人気だね天沢くん」
それにうんうんと頷く。
「あんなに人集まってるから天沢くんいるんかと思ったよ。いないんかいってね」
「ね、天沢くんの人気が改めてわかる。こう考えると紫夕ほんとすご……」
「はは……」
続けて愛海と芹奈がそう言って、返す言葉もなく苦笑いをした。
そのまま階段を下りてまた廊下を歩く。
すると、非常階段の目の前を通った時、階段に座るような人影が見えて目線を移した。
「……え」
……え、お、緒臣くん……?
そこには緒臣くんが一人で非常階段に座っている姿があって。
私の驚いた声に、三人もそこを見ると緒臣くんはこっちに気づいたかのように目線を向けた。
「…あ、紫夕」
「お、緒臣くん……」

