緒臣くんのキケンな誘惑。





次の授業で使う教科書を持ってドアの方にいる芹奈と音寧のところに向かう。


移動教室かあ……めんどくさいなあ……。
なんて思いながらも四人で教室を出た。


階段に向かうために廊下を歩く。
その間に三組四組と教室の前を通るわけで。


…やっぱり、四組の前だけ人の量おかしいんだよなあ。


他のクラスの前はちらほら人がいるだけなのに、四組の前だけは人があまりにも多い。

みんな緒臣くんを人目見ようと集まってるみたい。

…まあ確かに、絶世の美男子だよね。そりゃあ見たくもなる。


芹奈が私をチラッと見て苦笑いしていた。
それに私も目を合わせる。

四組の人だかりの後ろを通ろうとすると、そこにいる女の子たちの声が聞こえてきた。


「緒臣くんいないね」

「どこ行っちゃったんだろ〜」


残念がる声を聞いて少し疑問を持つ。

緒臣くんいないなら、この女の子達はなんで集まってるんだろう……?