緒臣くんのキケンな誘惑。




メイクに気遣ってくれるなんてあまりにも女心が分かりすぎているというか。

落ちにくいって評判のリップにして良かった……!!と心の中でガッツポーズする。


「あのね…っ、私、緒臣くんに可愛いって言ってもらいたくて……最近自分磨き頑張ってて……」

「え…っ、」

「今日メイクとか上手くいって、緒臣くんに会いたいなって思ったの。どういう反応してくれるんだろうって……っ」

「…っ」

「だから嬉しい……!会えたことも、可愛いって言ってくれたことも!!」


顔が真っ赤になっている自覚はあるが、今の気持ちを真っ直ぐ笑って伝える。

正直緊張してたから、褒めてくれて嬉しい。
もっともっと頑張れる。これが自分磨きのモチベになるんだなあ……。
と、心の中で思ってじんわり暖かくなった。


「…なんでそんな可愛いこと言うの」

「…っえ」

「俺のために努力してくれてるの……たまんないね」


そう嬉しそうに笑った緒臣くんは、私の手を引いてベンチに座った。