そんな緒臣くんの様子が気になって、目の前に立って顔を覗き込む。
いつもなら名前を呼んでくれるのに、一言も口を開いていない。
「緒臣くん……?」
「…っ、」
「…っん!?」
放心状態の緒臣くんに声をかけると、無言のまま手を伸ばされ軽く触れるだけのキスをされた。
……っ、な、なに…っ!?
急な展開に、全身がかああっと熱くなっていく。
「…っなんでこんな可愛いの」
「…っへ」
「可愛すぎて……我慢できなかった」
耳が赤くなってる緒臣くんは、私の目を見つめてどこか顔を歪めていて。
その熱の篭った瞳と言葉に、私の体温はもう限界を迎えている。
「え、えっと……ありがとう……っ」
「ごめんね、せっかくリップ塗ってるのにキスしちゃって」
そう言って、緒臣くんは少し申し訳なさそうに自分の唇をトントンと人差し指で触っていて。
反射的にブンブンと顔を横に振る。
……っ、もう、仕草からドキドキしちゃうよ……っ!!

