緒臣くんのキケンな誘惑。





で、電話かかってきてる……っ!!
ちょうど緒臣くんのことを考えていたからか、余計驚いてしまった。


急いでスマホを手に取って耳に当てる。


「緒臣くん…っ!!あ、もしもし……っ」


気持ちが先走って順番が逆になってしまい、一人恥ずかしくなる。

落ち着け私……っ!!


『もしもし、紫夕?』


電話越しの緒臣くんの声は普段とどこか違っていて。
それに心音が速くなるのを感じる。


「うん…!どうしたの……?」

『んー、なんか会いたくなっちゃって』


な……っ!?

緒臣くんのその言葉にいつも以上にドキッとしたのは、私も同じことを考えていたからだ。


『忙しかったらごめんね。せめて声聞きたいなって』

「ううん…っ!あのね、私も同じこと思ってたの」

『……え』

「だから電話くれて嬉しい!」


鏡越しに映る私の表情は大人っぽさの欠片も無い。
チークでは誤魔化せない程顔が赤くなってるし、口元が緩みすぎている。

でも電話越しだと、素直に言いたいこと返せるな……。